2006年 12月 16日
小説『創価学会崩壊(8)』 (2ちゃんねる)
第三章~決別(4)~
運悪く東北新幹線の臨時「ひかり?」に乗り込んでしまい
車掌と もめたが
目黒の一件もあり権威をかざす事も出来ず 泣く泣く諦めた井下は
東北の草原な景色を眺めながら 席に座っていた
すると携帯が鳴り出す
「もしもし」
―「お・・おい!何処に居るんだ東京へ戻れる状態じゃないのか??」
太侘の慌てふためいた声が漏れてくる
井下は緊急会議だとは聞いていたが、東京へ戻れる状態ではないとは?
「一体、どういう事だったんですか?」 井下が訪ねると
太侘は
―「バカ!お前さんは電光ニュースを見ていないのか!!」と
怒号が聞こえる
そういえば、あまり電光ニュースには気にもしていなかったが!
ふと見ると其処には・・・
「東京西部で暴動発生・・・ 東京西部、多摩地区と埼玉の一部で戒厳令
自衛隊も出動か?」と言うテロップが流れ
更には
「洸命党-北朝鮮にマカオの銀行を通じてテポドン開発資金提供発覚」
・・・と言うニュースをしきりに流していた
井下は真っ青になった
まさか「ひかり」に乗り間違えましたなどと言い訳ができないだろう
しかも その列車は沼宮内までノンストップと言う状態である
井下はなんとか取り次ぐろうと必死にごまかした
しかし、ゴマカスにしても やはり無理がある
結局、井下はしぶしぶ自分が折り返す筈の列車を乗り間違え
今、沼宮内まで止まらない主旨を説明した
太侘は絶句した
大侘は、層化学会の青年部長で洸命新聞の記者時代から、
国会議員になることをめざして、学会活動に励んできた。
そして、洸命新聞や 青年部の仲間から
着々と派閥の仲間つくりに励んできた。
将来党委員長 になって、
おのれの能力を発揮して活躍する祈りを続けてきた。
そのために、井下や田畑や垢松や高山らと
ひそかに水湖会を形成してきた。
彼らや秋月会長と謀って閑崎を追い落としてやり
やっと 党代表を奪い取ったのに、なんとも運が悪い。
山本伸一から、何か胡散臭い動きをしている
派閥を作って自己宣揚 していると思われ、
まず、秋月が会長の座を追われた。
それから、目黒区 で政務調査費の選挙流用が疑われ
全議員が辞職せざるを得なくなり
その上、セクハラ疑惑で区議が辞職した。
その上、この暴動騒ぎだ。
「こんな時に右腕の井下は、何をしている。まことに頼りない。」
いつも冷静沈着な井下副代表の、こんなケアレスミスにはわけがあった。
いままで、自分の後ろ盾になり
パトロン役を果たしてくれていた秋月が、会長に再選されて、
ホットして2ヵ月後の11月 急に会長辞任となったことだった。
もう5年は、俺も安泰と思っていたが、まさかの急な粛正。
それ以後、なぜか山本名誉会長の目が、
大侘代表や私など水湖会グループ へのチェックが、きびしい。
そのうち、山本チルドレンの層化学園OBへの 移行も早いかもしれない。
なんとか、阻止しなければ・・・
秋月先生の動向もまだ見えない。
山本には面従腹背から奴隷として生きる道に
本気で切り替えないといけないだろう。
伸一は気を静めるためにいつものものを取り出した。
世界偉人箴言集である。
みずからを戒めるためではない。 自分に都合がいい言葉を探すのである。
そしてそれを会員にさも教養ありげに開陳する様を思って楽しむのだ。
―さて次の本幹ではどれでいくかな。
とくにお気に入りなのは裏切り罵倒系と英雄礼讚系だ。
読んでいるうちに伸一はだんだん興奮して来た。
―わ・・わしはナポレオンだ!世紀の英雄だ!!
伸一はすぐさま近くに待機している数人の副会長を呼び付け
一斉にセンセイ万歳と叫ばせるのであった。
谷口は万歳を叫びながらも 心の中にわだかまりをかかえていた。
彼は山本チルドレンのひとりではあるが
葬科大には進まず東大を選び
青年部時代はその風貌からラビットと親しまれた。
組織ではいつも厳しいといわれるところへ送られたが
必ず結果を出して来た。
実力を発揮し続けている谷口は、層化大を選んだ弓田と違い
東大や三井商事で層化以外の状況を見てきたので、
客観的に歴史を見れるし 頭も切れる。
伸一のような学歴コンプレックスもない。
山本伸一も 腹田新会長からも将来を嘱望されている。
ただ、戦争を推し進めたナポレオンに万歳をしたり、
200の名誉称号ばかりの正教新聞の記事には
疑問符ももちつつ層化の将来を考え ていた。
松原も伸一に服従しきれない ひとりだ。
伸一のお下げ渡しの夫人を娶り
性狂新聞の責任者にまて引き上げてもらったものの
夫人がセンセイセンセイと目を輝かすたびに暗い情念に苛まれていた。
伸一の脂ぎったツラ、ヌラヌラした唇、
ぷっくりした野太い指を見ると、時に殺意すら覚えるのであった。
FKたちの万歳に気をよくしガマガエルのような赤黒い口を
大きく開けて哄笑する伸一を松原はジッと見つめていた。
ただならぬ表情に気付いた谷口はそっと彼のスーツの袖口を引っ張った。
我にかえった松原は谷口を見て愛想笑いをうかべた。
しかし谷口は笑みを返さなかった。松原の表情がまた消えた。
上機嫌の伸一は揉み手をしている八山に何か歌えと怒鳴っている。
それを聞いた谷口は松原の横をスイと抜け
「センセイ、私が歌います」と軍隊調で申し出た。
彼が歌い出したのは高等部歌正義の走者であった。
年配のFKは面食らった。 歌詞はもとより曲もよく知らないのだ。
谷口に唱和するのは青年部時代にコンビを組んだ佐東だけであった。
伸一は満足そうに二人の歌に聴き入っている。
谷口・佐東のコンビは、層化にあって山本からも将来を嘱望されていた。
だが学会の本流を歩む谷口と違って
佐東のほうは代作から裏仕事もまかされていた。
層化大学の青年部患部を使っての
MMTドコモ事件での盗聴事件の時は、ひどく傷ついた。
センセイの特別指令で裏仕事をまかされた時は、
私も会長の道を歩んでいると思っていたが
事件発覚すると 大学勤務の後輩も除名扱いにされた。
―俺はこのままでは、福島元太郎や山友と同じ運命になりかねない。
なんとかしなければ・・・
センセイのご機嫌伺いも本物にしなければいけない。 ・・・と
必死になって歌うのであった。
弓田元男子部長は、本部から伸一の情報を聞くたびに、
―私はセンセイと同じ道を歩もうとしただけなのに、粛正された。
子供のころから先生絶対と教えられて
私も信じれば信じるほど 信心が深まると教えられていた。
親が生まれた時から入信させるから
私のような不幸な人間が生まれる。
伸一よ大聖人に謝れ!
・・・とMCの解けた頭で考えた。
もうキンマンコを信じる必要はない。
これは、大聖人を信じていた功徳に違いない。安らかに生きれる。
谷口も佐東も青年部長になったが 私には夢だ。夢に終わった・・・
http://society4.2ch.net/test/read.cgi/koumei/1165216962/183-200
by eco_eco69
| 2006-12-16 15:00
| 小説『創価学会、崩壊』