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以常見我故 而生恣心 放逸著五欲 堕於悪道中 我常知衆生 行道不行道 随応所可度 為説種種法 毎自作是念 以何令衆生 得入無上道 速成就仏身          南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経 南無妙法蓮華経。


by eco_eco69

第三章~決別(1)~


東京で初めて雪が降ったその日
創価学会の前会長、 秋月栄一は、博多へ向かう新幹線の中にいた。
総九州長として、福岡に赴任するためである。

家族は、東京に残した。彼らにも世界がある。
まるで菅原道真だな と 思った。
―「主なきとて 春を忘れな」 か・・・・

来週、「週刊文秋」が発売される。 栄一のコメントがのっているはずだ。
昔なじみの記者に、ずいぶん飲まされた。
だが、自分の本音は言わなかった。あくまで、学会員の声のつもりだった。
「秋月先生、次はもっと、誰も知らないようなこと、お願いしますよ」
記者の声が、頭にこびりついて離れない。

誰も知らないこと・・・・

学会において、栄一のおそらく知らないことはない。
腹田はもちろん、伸一さえ知ららないことも、彼は知っている。

『第三代会長』が誰であるべきだったか、ということも・・・



1958年4月・・・・
恩師、戸田城聖先生が亡くなる直前、栄一はその病床に呼びだされた。
戸田先生の好きだった桜が、満開だった。

「栄一、あとは頼むよ」
戸田先生は目を閉じたままベットの中からつぶやいた。
―「なに、弱気になってらっしゃるんですか、先生」
「弱気じゃない」 戸田は、はっきりいった。

「栄一、わしは弱気じゃない」
栄一は、その言葉に、恩師の覚悟のようなものを感じた。
「あとは、3代会長だ」

3代会長・・・・ 
それは戸田の愛弟子である 山本伸一だと考えられていた。
そのころすでに、山本を「先生」と呼ぶ会員が現れていた。

―「山本さん では ないのですか!?」
「なにいってるんだ、栄一」
栄一は緊張して、次の言葉を待った。
「3代会長は、お前だ、栄一」

―「しかし・・・ 山本さんを押す者も多いようですが」
「伸一はダメだ。」 戸田は上半身を起こすと、栄一の肩を掴んだ。
「いいか、伸一じゃ ダメなんだ。 あいつは、学会を滅ぼす」
―「そんな・・・」
「それに、あいつは 在日朝鮮人だ。学会はいまや、大勢力だ。
 これが朝鮮人に支配されてみろ、この国を滅ぼす。
 それは、日蓮大上人様が固く戒められたことだ」

栄一は、山本伸一のことを考えた。
強烈な自己顕示欲。そして、カリスマ性。
そのどちらも、自分にはないものだった。

「栄一、伸一を止められるのは、お前だけだ」
―「しかし、私には重すぎる荷です・・・」  栄一はためらいがちにいった。
「お前なら大丈夫だ、栄一」
戸田は無邪気な子供のような笑顔でそういった。
「それに・・・」と、言葉を続けた。
「伸一や幹部たちにもよく言っておくよ。
 あいつらもよくよくいえばわかってくれるさ」


師が亡くなるやいなや、山本伸一はすぐさま権力を掌握した。
「3代会長を栄一に・・・」という戸田の言葉を
彼が聞いていたのかどうか、それはわからない。

だが、栄一は 伸一の行動のはしはしに 自分への嫉妬を感じてきた。

戸田先生は、次代の後継者候補に自分の「城聖」からとって、
「城克」「城栄」「城継」という名前をくれたのかもしれない。
あれも、伸一の嫉妬にあって
すぐにもとの名前に戻すように 厳命された。

しかも、ヒステリックに・・・・

すぐに名前を栄一に戻した私は、なんとか伸一の怒りをかわしたが、
渡吾郎さんと、石川幸男さんは、拷問に近い迫害を受けた。
渡吾郎さんに嫁いだ松島美智子さんの場合は、四兄弟とも凄惨だった。

特に藤川一正に嫁いだ姉や 末弟に対する仕打ちは 何事だ?
兄弟家族みな 打ち首のような やり方ではないか!
あの うらみ方は 和を尊ぶ日本民族 では、ありえない
仕打ちの仕方だ。 やはり半島の血か?

あの うらみつらみの晴らし方は、会長になったあとの私に向かった。

伸一の失敗を 幹部総出で対応してるにもかかわらず、
すべて私ども の責任にして、自分は、何も悪くないと言う対応だ。

学会の歴史の捏造を小説「生命革命」や「若き日の日誌」でやるように
篠原善次郎命じて特別扱いしていたが、とんでもない虚栄男だ。
日蓮大聖人の命がけの戦い、また戸田先生をも裏切ってばかりだ。

「伸一や幹部たちにもよく言っておくよ。
 あいつらもよくよくいえば わかってくれるさ」という
先生の言葉をたがえて、大変な行動に出たなあ 伸一は・・・
それで、その後2年間も 学会では陰湿な権力闘争時代に入った。



・・・新幹線なかでの栄一の回想は続いた。

伸一は、学会の総務職を新設して 全権掌握に これ勤めていたなあ・・・
国籍の都合もあるとかで、
渡吾郎や渡美智子や石田継男などを国会議員に 追いやり
自分を会長に推す裏取引で 原山父夫と謀略をめぐらせていた。

あの原山の息子原山高志も、教学部長にさせたが
結局 伸一の実像を知って反旗を翻した。

そもそも、戸田先生は「学会は、参議院にだけ進出し
権力闘争の 衆議院には進出しない」と、言っていたではないか!
これも戸田先生を 裏切ってる。
以後も 戸田先生の言葉を捏造しては 自分のいいようにあやつる。

それにしても、伸一が「天下を取ろうと!」口癖のように言って
権力志向、上昇志向の 謀略家を自分の回りに集めて
会長簒奪の計略仲間にしたのだ。

今の学会も、あぶらぎった謀略家の巣になった。伸一の体質・体臭だ。

洸命党に送った太他・井下らも、他の奴らも謀略家が多い。
類は類を呼ぶ。
今回は、洸命党でも、閑崎追い落とし作戦の陰謀で
太他が代表の座を奪い取った。

すぐにロシアにいったのもわかる。
ロシア大統領も、裏舞台の出で似たもの同士だ。
イギリスで 反権力ロシア人2人暗殺されたが
私も気をつけなければいけない。
多くの学会とかかわった人が、変死・若死・自殺している状況だ。

それにしても・・・・ と栄一は思った。
福岡での仕事も ずいぶん大変になりそうだ。
もはや、権力亡者の巣窟となった 信濃町へ帰るつもりもない。
東京を追放された時
「田舎に骨を埋めるのもいいか・・・」とさえ思った。

だが、九州では近年、宗門勢力が拡大している。
宗門とは伸一の工作によって断絶状態になっているが、
彼らはすでに 自分たちでの布教を拡大し、特に九州に力を入れている。
もはやどうでもいいような気がしないでもないが、
なにか行動をしたふりでもしないと東京の家族が心配だ。

それに、来年の参院選もある。
福岡には自民党の山下拓がいる。
変態副総裁と呼ばれる彼は、おそらく私に協力を求めるだろう。
だが、婦人部は・・・
前回は浜三津を動員してかろうじて当選させたが、
おそらく次は来てくれないだろう。
山下の自民党に、はたして婦人部が協力してくれるかどうか・・・


新幹線は、すべるよう滑らかに夕焼けに染まる博多駅に着いた。
九州の副会長職にある数名が、ホームに待っていた。

「お出迎え、ご苦労様です」
栄一は、今後自分の下で働く(はずの) 彼らをまず労った。

―「総九州長、今日はもう遅くなりましたので
  博多にて宿をご用意しております」
「遅い??」

栄一は不審そうな顔をした。 まだ日は沈んでいない・・・



小田原駅のホームに竹人元委員長の老いた姿があった。

一挙手一投足、何をしても それをネタに罵倒される身
今日も学会の回し者が自分を つけ回しているのでは ないか?
 ・・・と考えがよぎる。

学会からの中傷を気にする自分ではない
泥棒と呼ばれようが、畜生と呼ばれようが、今の自分には関係ない。
あの狂人、山本伸一が 生きている限り、学会の何が変わるというのだ。

だが、今日は学会の関係者に追いかけられては困る
隠密に動くと先方と約束しているからだ。
電車がホームから遠ざかった。
立ち食いそば屋でそばを半分ほどすすった竹人は、
人影が ホームからほとんど消えた頃合いを見て、改札口を出た。

「竹人先生、お待ちしていました」
中肉中背の中年男が小声で竹人に話しかけた。
竹人は小さくうなずいてハイヤーに乗り込み
御殿場の近くにある邸宅へ向かった。
ある戦後にフィクサーと呼ばれた
大物右翼の一人が 建てた別荘の一つで、
現在は財閥系商社の保有となり、名義上は保養所となっている。

既に政界や宗教界・・・ いや俗世間に関心がない竹人ではあるが
今回の件に関しては乞われれば 行かねばならぬ義理と事情があった。
竹人を乗せたハイヤーは鬱蒼とした森の中へ消えた。

目つきが鋭い、ダークスーツに身を包んだSPと思われる男たちが
敷地内の要所を警護している。

―「お気になされないように」
「うん? 」  竹人元委員長は言った。
―「その…警護は必要があってのことで、お気になさらないようにと」
中年男は子供か認知症の老人に言うように繰り返した。

「いや、別にそんな…ただ」
―「ただ?」
「あ、まあ、そうまでも警戒する必要があるのかと思ってな」
―「そりゃあもう、できるなら自衛隊に出動を要請したぐらいですよ」
中年の男は言った。

「まさか、やくざじゃないんだから・・・・ 
 御殿場には、自衛隊の上富士演習林や富士大石寺も遠くないけど
 何かあったのですか?」

客人用の寝室に案内され荷物を置いて
使用人が運んできた紅茶をに口を付け 一息ついた。

窓からは広い庭が見える
どこまでが敷地で どこからが自然林なのか
警備の人間は目立って見える数は少ない
しかし殺気のような気配が満ちている。
窓ガラスが防弾で有ることにも気が付いた。

竹人も要人として警護を受けた経験は数多い。
しかし、この異様な雰囲気は経験のない種類のものである。

田野中首相の名代として交渉の根回しのために、
中国へ飛んだ時のことを思い出す。
あの時も 極右、極左のテロを警戒して厳重な警備が行われていた。
だがこのような異様な雰囲気は無かった。

やがて、使いの者が来た。
「会長は茶室でお待ちになっています。
 茶室までは私がご案内いたしますのでお越し願えますか?」
本館と徒歩で10分ほど離れた所に茶室はあった。
少なくとも見た目は単なる茶室であるようだ。

「ご足労おかけしました
 今日は竹人先生とお会いいただきたい方がおりまして。」

竹入は紹介された男の顔を見て唖然とした。

驚きのあまり声が出ない。
まさかこの人物と会うことに なるとは・・・

それに今は何の権力も財力も無い隠居の身にある自分に
一体何の用事が有っての事か?
相手の意図が全く読めない。竹人の前方に座るその人物は・・・



「いったい、どこへ行こうって言うんですか?」
栄一は、運転席と助手席の男たちに尋ねた。
彼を乗せたハイヤーは福岡市街を離れ、どんどん郊外へと向かっていく。

「宿舎は中央区にあるって聞いているんですが・・・
 それに、まずは会館の方にいって引き継ぎをしたい」
栄一は、胸騒ぎがした。

「秋月先生」と、男の一人が言った。
学会内で先生と呼ばれるのは、『3代会長』だけだ。

―「ご心配なく。この少し先に座敷を取っていますから」 沈黙があった。

栄一は、いった。 「誰に、言われた?」
男たちは黙っていた。 「誰の指図だ。山本さんか?」
運転手が口を開いた。
―「残念ながら、山本伸一氏ではありません。秋月先生」
「それでは、共産党員か。それとも宗門か?」
―「学会員ですよ、私たちは」
じゃあ、いったい君たちは何なのだ? ・・・と、いおうとした時
体に 鈍い痛みが走った。

いったい何処に隠れていたのか、二人の男が両サイドから
栄一を押さえつけ、口にハンケチを押しつける。
クロロホルムだ! 栄一は感じた。

―「秋月先生、お許し下さい。 あなたが武道の達人であることを、
  私たちは存じているのでね」
もがいても、意識が遠くなっていく。
―「ご安心下さい、これから少し遠くにお連れします。
  命を奪うつもりはありません」

男の一人がそこまで、いったとき 栄一の記憶は途切れた。
ハイヤーは速度を落とすことなく、国道を走り続けた。

「宿舎のほうの手配は? 」
―「大丈夫だ、信濃町のイヌが キャンキャン言い出す前には、
  すべてカタがつくことが条件だが・・・」
「それは、問題ないが…」
―「ないが? 」
「秋月先生ご自身が 信濃町に注進するなら
 俺たち全員が進退を それぞれ決めねばならん」
―「ふん…オレの親父は漁師でな、船があるんだ。
  重油をしこたま積んで 北朝鮮へでも行くさ」

やがて…ハイヤーは、山間の集落へとたどり着いた。

一軒だけの温泉旅館の駐車場には、
数台のリムジンや外車が止まっている
病院などで使われる、ストレッチャー
(病院ドラマなんかで出てくる、車輪のついたベット) が
手回しよく用意されている。
秋月はそのまま旅館へ運び込まれた。

もっとも、秋月を拉致した男たちが
「秋月を害する気持ちはない」ことは 明らかだった。
暗殺なり、身代金の要求なりなら こんな手間をかける必要はないのだ。

旅館の大宴会場には、スーツ姿の男たちが集まっていた。
もちろん、彼らの目的は宴会などではない。
コンパニオンのねーちゃんもいないが・・・

「どうだ?」
―「ああ、いや、医師(せんせい)の診察を受けている」
「まさか…」
―「いや、心配はいらんそうだ、それより秋月先生に…」

その瞬間、がらっとふすまが開いた。
白衣の医師と看護士に助けられて 秋月が廊下から大広間に入ってくる!


http://society3.2ch.net/test/read.cgi/koumei/1165216962/84-103
# by eco_eco69 | 2006-12-20 15:00 | 小説『創価学会、崩壊』

第三章~決別(2)~


―「お久しぶりです、竹人先生」
「山本、さん・・・」 おもわず山本先生と言いそうになった。
「いったい、どうして・・・」
―「驚かれるのも、無理はありませんが、どうぞご勘弁を」
伸一は穏やかな顔でそういった。

竹人は、反学会系メディアの招待で
『創価学会被害者の会』に 参加したはずだったのである。

竹人は、何も言えなかった。
自分にたいして浴びせられた言葉の数々を返すことも出来なかった。

 『竹入義勝などという名前が出てきても
  「“そんな男、知らないし、関係ない”」 と、いう人が
  多いのではないでしょうか?
  「なにか、“吉野ヶ里遺跡”から出てきた 亡霊じゃないか?」
  ・・・と思う人がいるかもしれない』

秋月栄一の言葉である。

◆嘘八百の回顧録 ◆海外訪問の度に〝宝石漁り〟
◆異常な盆栽狂い選挙応援中に植木屋へ

正教新聞に書かれた溢れた、あの雑言・・・・
そして、勲一等への嫉妬・・・・

だが、竹人は何も言えなかった。
今日まで、全てを忘れたふりをし、隠居を決め込んできた。
しかし、これではいかん、声を発しなくては・・・
そう思って受け入れた誘いだった。

「今日は、竹人先生に おわびをしようと思ってお越しいただきました。
 正教新聞では、秋月どもが、止めろ! と 言うのに、
 まったくもって けしからん。
 竹人先生に対する誹謗中傷を続けまして
 私も、怒り心頭に きております。」 と、
伸一は、心から申し訳ないという風情で言い出したのである。

実際は、自分が正教新聞の記者に命令して、
秋月たち最高幹部を登場 させて
口汚く竹人や山友をののしったのが、四面の記事であった。

そんなことは、オクビにもださず、伸一は言った。
―「今回、その責任をとらせて、秋月を更迭しました。
  九州に左遷しました。」
「それで? まさかそんな世間話をするためにわざわざこんな…」
竹人は―「ペテンを?」の前で言葉を切った。

―「いや、私も学会に入って59年。来年は、60周年になります。
  私の3人の子どもたちは 学会二世の悲哀を感じてか、
  さんざん な ものです。
  宿業の巣窟のような状態でして。
  「創価学会の被害者の会」 にも、ひそかに入っているようなんです。」
伸一は、嘆息しながら 語った。
 
竹人は「この人は、何の狙いで、こんなことを?」と思い
伸一の 腹をさぐりながら聞いていた。

―「実は、長男の正弘は、私が嫁にしようと決めていた
  名通訳の矢蔵良子との縁談を親の押し付けだといって断り、
  周囲の反対を押し切って、学園 の教え子と結婚し、
  最初にできた子が大変な奇形障害児でして、
  「もう 子供をつくらない」と言っております。
  ある学園卒業生夫妻に命じて、引き取らせて育てさせており、
  戸籍上は、子なしです。

  次男の久弘は層化大学にいって、私が若かったら、結婚したかった
  熊田陽子を嫁にしてくれて将来を期待していたのですが、
  自分の子を 疑って、心身ともに病んで死んでしまいました!
  やはり、真言宗だった・・・ 先祖の害毒か・・・ 長男が立たない。

  その点あなたの家族は、福運がある。
  長男さんは、文科系の 層化大を止めてまで、
  私立の医学部を卒業されて立派なお医者さんに なられてる。
  娘さん夫婦も近所住まいで、
  それぞれ文京区西の豪邸に すまわれて兄弟仲もいい。
  あなたも、政治家として功績があり、 勲一等をもらわれている。
  うらやましくてしょうがない・・・」

「いえいえ、私は洸命党から、女房の装飾品代とかで
 横領で訴えられ ている身でして・・
 盆栽好きですら誹謗されてまして・・・」
竹人も、不思議な発言に対して、さぐるように言った。

―「ああ、あれも秋月がやらせたもので
  私は、その怒りもこめて秋月 をしかりつけ会長交代させました。
  秋月は、義兄の石川幸雄(城継) や義弟の
  石川幸志郎(元洸命党委員長)を使って、
  あなたの功績をなき ものにしようといろいろ工作していたようです。
  今回も、元学会の 子飼いの患部だった、太他・井下らを使って
  閑崎の追い落とし作戦を 実行したようですし、
  私を祭り上げて、すべて私の責任にします。」

竹人は、思った・・・ 
―この人が、こういう事を言う時は危ない。
  粛清された患部は、みんなこういう言い方をされて
  つい本音を 言い出した後、根も葉もないことを学会中に言いふらされて
  村八分、 窓際族に追いやられる。
  福島元太郎、原山高志、山友、石川幸雄(城継)、
  原山父夫、矢野純一郎、渡吾郎、藤川一正・・・ 
  挙げだしたらきりがない。
  
  最近のいじめ自殺なんか比較にならない。
  若い頃は、この手法で取立て の名人だったし、
  女子部のきれいどころをたらしこんだ。
  いや、 戸田先生だってそうだ。
  先生の側室だった森嶋貴美子にも取り入って
  戸田先生の身の回りをすべて、取り仕切っていった。
  ・・・で、先生の死後は
  先生の遺言を知ってるのは私だけという対応で、
  宗教的に層化を私物化した。

―「今、創価学会は、崩壊の危機にある」
伸一は、底冷えのするような 声で言った。
竹人の心の思いを見透かしたように言い方に思えた。

「それは、あなた自身が招いた道だ。
 御本尊模刻、自己本仏化、正本殿設立 による自己絶対化、
 会長簒奪、戸田先生利用の師弟不二、宗門からの破門・・・・」 と
竹人は思ったが、まあもう少し思いを聞いてみよう。

「それは、どういうことなんでしょうか?」
―「私の気持を理解してくれる人が 誰も居ない 
  戸田先生も居なくなった・・・ そして・・・ 」 と
伸一が切り出した処で、突然、息がつまり 伸一の目には涙すら浮かんだ
その姿に竹人は より一層混乱をし始めた

― 「今日は私と一緒に勤行をしてくれないか?」
伸一が竹人に告げると 、竹人は、尚更 混乱をし始めた

「私と勤行ですか?」

―「ああ そうだ。」 伸一は言った そして間髪入れずに次のことを言った
―「創価の本尊では、信用が出来ない 彼等は私を騙した
  だから今日は特別な方をもう一人お招きしている 
  彼を連れてきなさい!!」

伸一は側近に告げた後、暫くすると、お招きした相手が
とある物を丁寧に持ち込み
彼等が居る部屋へと入ってきた その姿に竹人はより一層驚いた!
「あ・・貴方は、確か・・・」

そう部屋に入ってきたのは、事もあろうか
日蓮正宗第67世を勤められた、あの日顕法主、その姿なのであった

竹人は、すばやく頭を回転させた。

最初に考え付いたのは、
この日顕法主が偽者であるのではということだった
だが、それではつじつまが合わない。
そこまでして竹人をからかうほど 山本は暇人ではない。

さらにいえば、そんな「スパイ大作戦」みたいな ばかげたことを
山本がやったと竹人が言いふらせば、
山本は再起不能とまではいえないにせよ
学会内部での立場は相当に悪くはなる。

そうかといって、日顕法主が本物であるとすれば 余計に解釈が困難だ
竹人は下手な事をせずに、この二人の様子をしばらくは見ようと決めた。

山本が全く信用できないのは当然である。
日顕法主が山本と共に現れるのは
いかに秘密の会合とはいえ理不尽である。
竹人が今回、御殿場へ足を運んだ目的は この二人との会見ではない。
簡単に言えば、呼ばれたから来ただけである。

しかし、竹人を呼んだ「彼」がここへ到着するまでには、
もう少し時間がかかるはずだ。
事前に聞いた話では、少々遅れるので
自分の別荘だと思ってくつろいでいてくれと 言われている。

一方、日顕法主も竹人の顔を見て内心驚いているのである。
山本の説明からは 重要人物としか聞いていなかった。

「な、なにを今さら…」 日顕は震える声を絞り出した。

あたりは重苦しい空気に包まれた。
竹入は息をのんでことの推移を見守っている。
その空気を破ったのは他ならぬ山本であった。
―「おい、ひとが こうまで言って頭を下げてるのに
  何だその言い草は!」
でっぷりと太った体から発せられた怒声は耳をつんざくほどの大きさだ。
縮みあがった日顕は萎れた体をブルブルと痙攣させている。

山本はさらに日顕に詰め寄った。
―「てめえなんざ!俺が小指ひとつ動かすだけで成仏させられんだぞ。」
いつのまにか屈強なキンコマンコ隊が日顕と竹入と取り囲んでいた。
ただ、この場で殺したり、傷つけたのでは
後々面倒なことは見え見えなので
「なんだね、その言い草は! 
 わたしはあなたの招きで勤行を上げに来たのだぞ」
日顕の反論は、山本を黙らせるには十分だった

山本伸一は、思った。

―先ほどは、戸田先生がおなくなりになった時のことを思い出して、
  つい 涙がでてしまった。
  あれだけ、好戦流布にはげまれた恩師なのに、成仏の相どころか、
  死相は地獄の相で苦悶の死だった。
  そんな所に、長男の正弘が、私を裏切って
  「層化中枢の暴露をしようとしている」と情報が入った。

今まで、私を裏切ったり、絶対忠誠をしなくなった幹部は
みな粛清できた。
福島元太郎や原山高志も、私に絶対忠誠をしてくれていたのに、
私が責任を宗門から追及された時に、いけにえにさしだして粛清した。
野中伊佐夫は政治すきだったが、
国会議員にされない方針とわかると、会長の座をねらいだした。
これにこりて、議員になりたい太他らは、そうそうに衆議院に追い出した。

―ただ、私に逆らって教え子と強引に結婚し、裏切ろうとしている
  長男の正弘だけは・・・ 粛正はデ・キ・ナ・イ。
  
―それにしても、私に絶対忠誠をしてくれた側近も 次々と若死にする。
  十条、広報局長の西口、中国長だった野間、沖縄・台湾総長のK。
  何がいけなかったのか・・・ 苦慮する。
  野中伊佐夫も、多田登紀子も 地獄の苦悶死だと聞いている。

―やはり、大石寺におわします
  三大秘法の大御本尊さまに勤行をして 出直すしかない。
  まずは、日顕ゲイカ、竹入の3人で勤行をしよう。

「ぜひとも日顕ゲイカ、竹入先生、私で 
 三大秘法の大御本尊さまに 勤行した上での お話にさせてください。」と
伸一は、お願いした。


人里はなれた場所での伸一の平身低頭の懇願に
摩訶不思議な空間に つつまれた。日顕ゲイカを導師に勤行が始まった。
左右に竹人先生と 山本伸一・・・

  「妙法蓮華経 方便品第二 爾時世尊 従三昧・・・・」

勤行が始まると、日顕ご隠尊ゲイカは、5座3座で行なわれた。

伸一は、長い長~い勤行に 足がしびれてきた。
時に腰を上げて 
もぞもぞと しびれをなんとかしないと 足に血のめぐりがいかない。
糖尿病にも悪影響をおよぼしそうだ。
―やはり、SGI用の勤行でないと 私には無理なのかも と・・・

普段 いかに、女性秘書グループや学会員たちに見守られて
師匠役を果たせていたかを 思い知らされるのであった。

―師匠役は、私には無理だった。
  やはり秋月にまかせておいたほうが 
  僧俗和合で うまくいっていたのかもなあ・・・ と思いつつ
戸田会長の将来見通し能力に 改めて感心するのであった。

ご隠尊ゲイカや竹人先生は、正座をして 
大石寺奉安殿にまします 大御本尊を思い浮かべながら
深々とした勤行を続けている。

警備に控えていたキンマンコ隊の一同は
マジかに見る伸一モゾモゾ 勤行に驚いている。
わがキンマンコ隊には 入隊できないレベルだと思うものも多数いた。
一部は、病気だし と 思ったり、何か深い意味があるに違いない と
先生崇拝の心を持ち続ける努力をする。

―昭和47年に、正本殿を300億の費用で安く作らせた。
 財務は400億 あったのをうまく運用した。
 三大秘法の大御本尊のうち
 題目と本尊は、大聖人みづから確立された。
 私が後一つの御遺命の戒壇を建立した。
 ・・・で、 私は、つい慢心で
 日蓮大聖人と同格のように錯覚してしまった。

伸一の回想は続いた。

―あの正本殿の時は、「これで財務は最後です。」
 「唯一の層化学会の使命の 正本殿の建立です。」と
 煽って当時の学会員の財産をすべてかき集めさせた。
 私も、図に乗って、慶讃委員会の席上で、
 当時の66世日達法主を多くの 面前で罵倒した。
 席の位置が日達ゲイカと同じだったので
 「私を誰だと 思っているのか!」・・・と。
 そして私を日達法主の上座にさせた。慢心だった。
 この勤行も日顕法主ようにするべきだったし
 罵倒することはなかった。

 私は、「これこそ大作、遺命正本殿の達成」と
 原山高志や福島元太郎 にあおらしたではないか。
 あの時もっとも忠実だった、福島・原山・山友 は、
 その中で苦悩して宗門にいってしまった。竹人までも・・・

 本仏のごとくふるまった罰だろう。私は除名され、権威の象徴だった
 正本殿も、結果として取り壊されてしまった。
 学会員の怒りが、私のほうに向きそうだったので、裁判で訴えさせたが
 すべて敗訴した。
 100億ねぎったので、もうさびや、雨漏りで寿命がきていたらしい。

 秋月や野崎らに
 「山友、竹人なんか、盛況新聞で層化をあげて打ち首 獄門にすれば、
 造反者も出なくなるし、組織も固まりますよ。」
 「なあにうちの組織力でやれば、
  そのうちお山にはぺんぺん草がはえて きますよ。」と いっていたのに
 いっこうにそうならないではないか。
 むしろ、私の信頼する側近が次々と打ち首・獄門状態でないか。
 福島も西口も野崎も野間も、次々若死にではないか!
 多田登紀子まで・・・・

 戸田城聖先生も、かって大荘厳懺悔を大御本尊にされた。
 価値論の大善生活の中に御本尊を入れられて
 催尊入卑した法罰を 感じられたからだ。
 篠原善次郎に書かせた「生命革命」にも載せた。

 私も、大荘厳懺悔をして、戸田先生をまねて、学会再生をはかろう
 ・・・とした矢先に、外国のCIAからも攻撃されたりする。
 目黒区の 不祥事はまだ小さいが、
 今後もっと大きな案件がでてきかねない。
 秋月は大丈夫か? どうか、秋月まで造反しないように祈ろう。

 それにしても足が痛い・・・ いつも椅子に座ってたから。本幹でも…

題目をあげながら、山本はふと思った。
―たしかに今、自分はピンチにある。
 だが同時に大きなチャンスをつかんでもいると…

伸一はいつもの腹黒い策謀に耽り始めた。
こればかりは死ぬまで治らない彼の特性だ。

―秋月も神崎も、もはや自分に対抗出来ない。
 学会外はどうか?
 日顕は目の前にいるが この男はもう脅威にはならない。
 政界も我が手の内だ。安達総理のような小者に何が出来る。
 民衆党の大沢は恐れるに足りない。
 マスコミが騒がしいが、対処の方法は無限にある。

山本は無言だが表情が緩み、口元には笑みの雰囲気さえ漂っていた。

それを見ていたのが竹人である。 ―山本の表情、人間の表情ではない。
政界では多くの怪物を 相手に渡り歩いてきた竹人であるが、
山本のこの表情は竹人の脳を揺さぶり、心臓から熱を 奪った。
冬だというのに汗が流れるのを感じる。

だが、山本の自信とは裏腹に、下界では危機がさらに高まりつつあった。
関係者それぞれが 事の真相に気がつき始め
それぞれに動きを始めだした


http://society3.2ch.net/test/read.cgi/koumei/1165216962/104-154
# by eco_eco69 | 2006-12-19 15:00 | 小説『創価学会、崩壊』
1: 【統計数理研究所調査】

Q:子供を一人だけもつとしたら、男の子の方がよいですか
女の子の方がよいですか、それとも、どちらでもよいですか?]

女性   女の子   男の子   どちらでもよい
1988年  40%      22%       37%
1993    50%      22%       26%
2003    64%      16%       19%
2006    79%      10%       11%

男性   女の子   男の子   どちらでもよい
1988年  15%      45%       36%
1993    19%      45%       34%
2003    29%      40%       30%
2006    35%      38%       27%

http://www.ism.ac.jp/kokuminsei/data/data/html/ss6/6_2e_female.htm


2: http://clickenquete.com/a/r.php?Q0008445Cf181

Q:生まれ変わるとしたら、女性がいいですか? 
 それとも男性がいいですか?]

今男で、次も男。 (14票) 25%
今男だけど、次は女。 (17票) 30%
今女で、次も女。 (20票) 36%
今は女だけど、次は男。 (5票) 9%
# by eco_eco69 | 2006-12-19 15:00 | gender
・男の自殺者は女の3倍以上
・過労死者の95%が男
・過労と激務で交通事故死する男も後を絶たない

これが日本の男の置かれている現状だ。

専業主婦の過労死など聞いたことがない
平日のファミレスには暇をもてあました主婦で一杯だ
同じ時刻に旦那は過酷な職場で働いているのにだ

ホームレスのほとんどは男
女はすぐに生活保護が受けれるからホームレスにはならないからだ
http://blog.livedoor.jp/hakugaisabetu001/archives/cat_601940.html

そりゃそうだ、創価学会ですら
男性は不借身命と言う名の化身滅弛を強いられている上
学会のためなら 女性の為なら死ななければ いけないらしいからねー
その一方で女性は貴族のように天界の衆生で遊んでばかりだ
この世に生まれたのではなく、地獄へ突き落とされたのですか?
本当の勝ち組は女性ですよ

そういえばよく寸鉄で「女性の声を真摯に受け止めろ!」なんて
教条的な事を書いておりますが
女性の声を真摯に受け止めればこうなるよねー

女性様をじろじろ見たらセクハラ
女性様がセクシーな服を着ているのに無視するのは失礼

女性様にアプローチすればストーカー
女性様に声をかけずに無視して通り過ぎるのは失礼

女性様に無理やりセク-スを迫ればDV
女性様が抱いてほしいときに抱いてあげないのは失礼

女性様に優しくすれば「ワイルドさが足りない!」
女性様に荒々しくすれば「優しさが足りない!」

はいはい女性様は常に正しい  はいはい悪いのはいつも男


しかも女性の言い分を聞いていると
「要らないからこの世から消えろ!」 …と主張しているようですよ

要は自決しろっていう事なんだな
それが女性達の何よりの無常の喜びだそうですよ

そういやぁー 一般世間では
毎日のように電車に飛び込んで自決していますね

昨日も人身事故が起きました 

しかもニュースを見ると男性ばかりですね 

みなさんの要望にお答えしていますよ
「生まれてすみません」と言う遺書を残して・・・・
望んでもいないのに、また無限地獄逝きだ
生きてても地獄 死んでも地獄 
そこまで雄は福運が無いのでしょうか?

過去に何か罪業でもつんだの? 
だけど罪業の因を作る女性は
どういう訳か無限成仏出来て
羨ましい限りですね
何せ
生まれた時点で「即身成仏だ」
先生から言われているようなもんですからね
# by eco_eco69 | 2006-12-18 15:00 | gender

第三章~決別(3)~


洸命党の井下副代表は東北新幹線で仙台へ向かう途中であった。
その日のグリーン車は 乗客が少なく、井下は眠気を感じていた。
大宮駅を過ぎたあたりで井下の携帯が振動した。
太他代表からの着信である。小声で返事をした
「太他さん、今新幹線に乗ってまして・・・」
―「話が長くなる、緊急なんだ」太他代表は言った。

井下は席を離れデッキに立ち太他と会話した。
会話の内容はともかく結論はこうである
「今すぐ信濃町に戻れ」

井下は秘書らに「急用だ」と声をかけ「東京へ戻る」と宣言した。
新幹線はまだ埼玉県内を 走っていたが、
電光掲示板には「次の停車駅は仙台」と表示されている。
国会議員とはいえ 新幹線を無理矢理止めるわけにはいかない。
刻々と時間は過ぎる、のどかな田舎の景色に
焦りを感じずにはいられなかった。



その頃 田園都市線の二子玉川駅で
上尾事件顔負けの暴動が起きてしまった
否、陰惨きわまる最悪の事態だろう
朝から田園都市線をはじめ
大井町線、東武線など 終日に渡ってダイヤが混乱してしまった
また この煽りで渋谷駅や永田町の駅でも、
二子玉川駅同様暴動が起きてしまった
原因は、そう・・・あの「女性専用車両」である

二子玉川駅では人があふれかえるホームから数人が転落、
運悪く滑り込んできた電車は
それらの人々をひいて血まみれの大惨事となった。

暴徒と化した人々が電車に放火 駅員は袋だたきにされるか、逃亡。
どさくさに紛れて強盗暴行が横行。

この暴動は東急沿線の各駅に伝わり、
駅や電車の窓ガラスは叩き壊され、
通常の客まで 暴動に巻き込まれたため怪我人が続出。
警視庁と神奈川県警は機動隊のほか多くの警官を 送ったが、
東京と神奈川の境界付近では管轄の違いによって連携がうまくいかなく、
それ どころか警官同士の争いが始まり
神奈川県警が警視庁へガス弾を打ち込むという珍事が発生。
警視庁側も負けてられるかとガス弾で応戦。

消防隊はその煙を見て火災発生と誤認。
ポンプ車数台で勢いよく放水。
怒り狂った警視庁と 神奈川県警は装甲車両で消防車に突撃し、
警察と消防が殴り合いを始めた。
そんな中を逃げまどう 東急の職員は制服姿のため、
両者から敵と認定されて半殺しにされた。



洸命党の井下副代表は、仙台であたふたと新幹線をおり
向かい側の上りホームで やってきた「ひかり」に乗った。
「ふう…」

井下副代表は車掌に声をかけた
「東京まで指定席を、議員パスだけど」
車掌は冷静に
―「お客さん、この列車は臨時列車の『ひかり』号です、
  東京へは行きませんが…」

井下副代表の血圧は50下がった。
「な・・なに!? 確かに東北新幹線に『ひかり』は無いが/・・・」
―「ええ、観光用の企画列車『ひかり』号です。
  黒毛和牛の『ひかり』が一等賞になった記念で。」
「まあいい、次の駅で乗り換える。次はどこに止まるのか?
 福島?宇都宮?」と井下
―「いえ、終点のいわて沼宮内まで止まりません」と車掌
「なんだ、その嫌がらせか、そんな中途半端な新幹線を走らせるな」
―「お客さん、ですから臨時列車なんです」
車掌は子供を諭すように話した。



拡大する東京南西部の大暴動。渋谷周辺の混乱も大きくなってきた。
それにしても凄惨な絵図である。
鼻や耳にピアスを5つも付けてタトゥーまで入れている若者が、
どのような経緯か知れぬが、
スーツ姿の冴えないオヤジ数名にリンチされているのである。

そんな渋谷の駅に偶然居合わせたのが失意の青年、弓田君である。
彼は初め不可解な暴動に 動揺するだけであったが、
勘の良い彼は数分で事態を理解し、日頃の鬱憤を晴らそうと
消火器を抱えて「女性専用車両」に突入。
「女ばかり優遇するな!」
「政府はカルト宗教に 動かされている!」
「このままでは我々普通の男は永遠に奴隷待遇だ!」などと
矢継ぎ早に 扇動を開始した。
目に付いた消火器をぶちまけ、警報ボタンを押しまくり
「世の中をぶっ壊そう じゃないか」と絶叫した。煽るだけ煽っておいて、
弓田はあっさり自動車を強奪して逃亡した。

弓田の扇動の効果もあり、渋谷の混乱に拍車がかかった。
警官隊は密集体系で自らを守るのが 精一杯である。
空にはテレビ局のヘリコプターが飛んでいる。
この混乱を空撮しているのである。
109は炎につつまれ、各所から煙りが上がっている。
ハチ公までも誰の仕業か居なくなった。


そんな地獄絵図を大画面テレビで
にこやかに眺めている者が居る。安達総理である。

―もしかしたらチャンスなのかもしれない

統逸協会ブレインと安達総理が
この時 師弟不二の共感を感じ得たのであろう
安達総理は すかさず秘書側近等に命令を下した
「おいマスコミ各社に連絡しろ そして各野党にも連絡しろ!」

この一言が一因で、その後の選挙で大敗北し 洸命党が分裂
しかも その洸命党が山本伸一から三行半の破門を呼び起こすとは
安達も予想外で、あっただろう



その頃 東京、信濃町本部ではTVの状況を見て 慌てふためいていた
この模様は、二子玉川で取材をしていた
テレビ参詣のスタッフによってスクープされてしまい
おめざめTVの段階から急遽、緊急スクープとして危険な状況の中
CMなしのまま実況中継が開始されたからである

しかも番組の途中で 司会者が「生まれてすみません」と言う題字の
遺書らしきものを発見し 人身事故の陰に自殺が絡んでいた事も判明した 
またその遺書の内容には

近年に渡る女性達の横暴さや
「ピトケアン島」の方程式などを 刻々と綴った文章で構成され
最後に 「もう男性なんか要らないでしょう、妻にもお詫びします
 生きててスミマセンでした 罪を償って自殺します」 と言う文章で締め
それに感動したのか如何かは存ぜぬが
思わずレポータが涙ながらにその手紙を読み上げてしまったからだ

しかも、その中には 女性専用車両の事も批判されていた

この後 レポーターが普段の鬱憤が魂っていたのだろう
「人権とは何ですか? 男性だって人間ですよ」と
感情論に至ってしまい 滅茶苦茶な発言が飛び出してきたのだ
その中で洸命党の批判が公然と出てきたのである
「お前等は精神的な苦痛を与えて なぶり殺す殺人者同然だ!!」

更にMHKは渋谷が近いせいか 
「暴動が渋谷でも起こった」 という一報を聞くと
すぐさま取材体制に入り、朝の連続ドラマが始まった頃には
その番組を急遽打ち切り緊急中継に変わった 
その際、暴動の原因が「女性専用車両が発端」と報じてしまったからである

これを朝から見ていた太侘は 不味いと感じたのか
洸命党全員を 急遽招集し 対応する事になったのである

「この緊急時に井下との連絡が取れない・・・」太侘はあせっていた
議員全員が信濃町に来ているのに 彼一人だけ来ないのである

彼は仙台に行く予定だったようで
その途中で「戻るよう」指示を出したが 時すでに遅く、
どうやら大宮を過ぎ乗った新幹線が仙台まで止まらなかったようだ
その連絡だけは来た ・・・が 
そうだとしても そろそろ戻っても良い頃ではないか!!
第一報を井下に報告してから既に4時間は経過している・・・
「一体、奴は何処を ほっつき廻っているのか?
 混乱しているから来れない状況なのか?」

その頃、東京は 突如、戒厳令がしかれ、
自衛隊が出動する事態になっていたからである 
しかし、その一報は、本来、自民党の方から来てもおかしくなかったのだが
太侘がそれを知ったのは なななななんと MHKのTVであった
「裏切られたのか?」 太侘はそれを直感した
まるで社会党の町川総理のような四面楚歌を喰らいながらも
太侘は井下の携帯に連絡を入れた



民衆党本部。大沢代表と渡辺顧問、鳩川幹事長が座っていた。
他の幹部は都内の混乱に 巻き込まれて連絡も途切れ途切れだ。
三名の他、議員、秘書らがテレビをにらんでいた。
そんな所に官邸から電話があった。
安達総理の意を受けた青本参議院会長からである。
大沢代表は不在という事にして、電話は渡辺を受けた。

電話の後、三名の顔は深刻になった。
―政府は洸命党を切り捨てるのか・・・・

幹部が集まってからコトを決するという方法もある。
だが、今の時間は一時が値千金だ。
幹部が集まるのを待てば、機を失う。
それに大沢の腹の中には
「余計な連中が集まれば
 集まるほど、この党は何も決めることが出来ないだろう。」という
読みもある。
「鳩川さん、政局に備えて各県の県連に連絡を。実弾の点検も」



信濃町では、この状況に腹田はいらだっていた。
判断を仰ぐべき山本名誉会長は 行方不明である。
学会幹部専用である伊豆の別荘へ行っているとの話だが、
全く連絡が 取れない。
党の太侘代表は
「自民党の様子がおかしい」と言うばかりで、ただ混乱しており
あまりのふがい無さに思わず怒鳴り声で質問をすると
泣き出す始末である。

イライラしながらテレビを観ていた。
お台場テレビにチャンネルを変えた腹田は
特番のテロップを見て椅子から転げ落ちた。

「洸命党-北朝鮮にマカオの銀行を通じてテポドン開発資金提供発覚」

そんなバカな話があるか!と思いつつも、
無いとは言えない・・・と思う腹田である。
それにしても、異常なまでに克明な証拠が展開されている。
誰がタレ込んだのだろうか。



萎びた陰茎に口唇愛撫を続けている 
高畠F部長に山本は罵声をあびせた。
「馬鹿!ウスノロ!もっと若いのはおらんのか!!」
あいにく女子部の幹部は一連の騒動で皆出払っていた。
いつもセックスまで含めたサービスをしてくれる
第一庶務が機能しないことに山本は苛立っていた。

彼は、先程、第67世日顕法主御陰尊迎下と竹人との
勤行と唱題で行なった末 何か湧き出る生命力をえたのであろうか?
彼には物足りなさを感じていたようだ

高鼻もこの時 自分の虚しさ否、嫉妬すら覚え始めだしたのである
―私は、コレまで成仏を願い身を粉にして一生懸命信心をしてきた
 そして信心の為なら不借身命にならなければいけないと思って
 先生にお仕えさえしてきた 
 ・・・が、その末こんなザマである それでも成仏のためなら 
 …と思い尽くしたのに、薄汚い畜生の扱いをして・・・

女とは恐ろしいものである それまで天界の衆生で喜ぶ余り
二乗になってしまい食法餓鬼に陥りやがて三悪道、四悪衆に陥るのである
しかも山本は高鼻に言ってはいけない暴言を吐き出したのだ

「お前の信心なんか 26で散った嵐山春子に比べたら ちっぽけなもんだ!
彼女こそ 女性の鏡だ!母だ!竜女だ! 
お前なんか!!女の衣を着た薄汚い畜生だ修羅だ!
俺の力で地獄に堕ちろ!糞ババァー
用が済んだらとっとと俺の前から消えうせろ!!
おい!こいつを追い出せ!!」

すかさず山本伸一はVIPを呼び高鼻を強制的に羽交い絞めにし
泣きじゃくりながらも 御殿場の別荘から追い出されたのである。

高鼻は泣きながら・・・御殿場の街を歩いた 
―また、あの娘とあたしが比較された・・・ 
 峰子と言う婦人がいるのにも関わらず
 どうして先生はあの娘を何時も持ち出すのだろう・・・

確かに嵐山春子の功績は山本に賞賛されるほどの事をしたのだろう
何せ自ら肺病だったのにも関わらず山本伸一に仕えて来たのである
それも自ら・・・


何せ彼女は山本が昭和32年に牢獄へ入った際
自ら「自分が代わって牢獄に入る」と、手紙を書いていた
彼女は山本を愛していたのである

また亡くなる1ヶ月前にも東京へ上京した際
山本に一目会おうと肺病で苦しかったのにも関わらず
学会本部をうろつく行動に出ている
しかも彼女は幹部が説得したのにも関わらず 一歩も引かなかった
「私は山本先生にどうしても会いたいんだ!山本先生と話がしたいんだ
私はそれだけでいいんだ!」
彼女の心は肺病だったのにも関わらず
何処からそんな力が涌いたのだろうか
泣きながらもヒステリック状態になっていたようである

結局、彼女は周りに居た北海道の女子部達に諭され
泣く泣く上野から汽車で北海道へ帰ったのだ

その一ヵ月後彼女は他界した・・・


そんな話を山本は高鼻に話していたのである
高鼻はその嵐山春子の事を思った
―私だって嵐山と同じ位 山本先生を愛したんだ尽くしたんだ
・・・にも、関わらず・・・ 嵐 山 に 奪 わ れ た 

女の愛は恐ろしいものである 
コレまでの愛が嫉妬や怨憎会苦に変わってしまうのである
とうとう嵐山にも嫉妬を感じはじめ 
それはやがて復讐となり山本を貶めてやろうと言う
修羅の心が湧き出し踊り始めたのであった

彼女はすかさず「秋月」の携帯に電話を掛けた
「もしもし・・・」

http://society3.2ch.net/test/read.cgi/koumei/1165216962/155-182
# by eco_eco69 | 2006-12-18 15:00 | 小説『創価学会、崩壊』